主な治療法を紹介
ペインクリニックで用いられる治療法を紹介します。患者が抱える痛みの種類は様々です。そのため、治療法も多岐に渡りますよ。
メインは「神経ブロック」
神経ブロックは痛みや神経機能の異常が起こっている部位に注射をして、薬物を注入する治療法です。
星状神経節ブロック
交感神経が集まっている首に局所麻酔薬を注入する治療法です。交感神経の緊張を抑えて痛みの悪循環を取り除くだけでなく、局所の血行をよくすることで抗炎症効果による痛みの軽減も見込めます。
硬膜外ブロック
背部痛や腰痛に加えて足腰にも痛みを感じる人に有効な治療法です。主に外来で用いられることが多いようですね。硬膜外ブロックには背中から注射する「胸部硬膜外ブロック」と腰から注射する「腰部硬膜外ブロック」の2つがあります。長い針を使って骨の脊柱管を刺し、局所麻酔やステロイドを注入します。注射直後は下肢に力が入らなくなるので、患者は30分ほど休んでから帰ってもらうことになります。
腕神経叢ブロック
鎖骨の上あたりに細い針を刺して局所麻酔を注入し、首から腕にかけて集まっている神経に働きかける治療法です。神経に直接注入するわけではないので痛みが少ないという特徴がありますよ。なお、注射をする際にはX線画像を見ながら行います。
トリガーポイント注射
痛みが最も強い部分を「トリガーポイント」と呼びます。このトリガーポイントに薬液を直接注入することによって痛みを取り除き、血流をよくして筋肉の緊張を和らげます。
神経根ブロック
神経根ブロックは別名「ルートブロック」といいます。頚椎や腰椎の疾患によるしつこい痛みを解消するために用いられる治療法です。X線画像を見ながら痛みが発生している神経根に直接麻酔を注入します。頸椎や腰椎の椎間板、肥厚した靭帯で神経根が圧迫されて痛みが発生している場合、神経の炎症を抑えることで症状が治まります。荷重比が少ないので、3ヵ月程度治療を行うことで状態が回復するケースが多いようですね。ただし、脊髄が圧迫されている場合は手術による治療が必要になるケースも少なくありません。
神経ブロック以外の治療法
神経ブロック以外の治療法としてまず挙げられるのが「薬物療法」です。痛みを和らげる薬を使って症状の改善を目指します。痛みを抑える薬だけでなく、鎮痛補助薬や漢方、シップや塗り薬などの外用剤も使いますよ。
電気治療やけん引治療で痛みが発生している部位の筋肉を和らげ血流をよくする「物療療法」を採用しているところもあります。また、「鍼治療」によって慢性痛を治療するペインクリニックも増えているようですね。
