ペインクリニックと整形外科の違い
ペインクリニックで働きたいけど、整形外科と似ていることに戸惑う方は、ここで双方の相違点を知りましょう。
整形外科とは
整形外科は、ペインクリニックと間違いやすい部分がありますよね。整形外科という診療科目の特徴は、筋肉や骨、関節の不調などを中心に、リハビリテーション・手術を通じて機能回復を図ることなどです。いわゆる運動器の疾患・不調を扱う診療科目です。
整形外科の専門分野は多岐にわたり、背骨・脊椎・腰椎・骨盤などに対応している脊椎外科、上肢に対応している手の外科・肩関節外科、下肢に対応している股関節・膝関節外科、スポーツによる障がいに対応しているスポーツ整形外科などさまざまなものがあります。このほか、交通事故による外傷や労働災害による外傷なども、整形外科で対応しています。
外傷の領域で整形外科が対応しているのは、具体的には擦り傷や切り傷、打撲、脱臼、捻挫、開放骨折、切断指など広範囲です。
それとは逆に、整形外科が対応していない外傷は、頭部や顔面の外傷・損傷、肺の損傷、腹部や臓器の損傷、泌尿器の損傷などが挙げられます。
外傷だけでなく、運動器の先天性の疾患にも対応していて、受診と治療の対象は赤ちゃんから高齢者まで幅広い特徴もあるんですよ。
ペインクリニックと整形外科の相違点
ペインクリニックと整形外科の明確な違いは、治療の目的が何かという部分が挙げられます。整形外科は、前の項目で説明したように筋肉・骨・関節などの不調に対応している診療科目です。これらの不調に対してリハビリテーション・手術を行い、機能回復を図ることが目的です。一方でペインクリニックでは全身の痛みに対応しており、その痛みと苦痛を取り除く役割を担っています。機能回復をするのか、痛みを取り除くのか、この点がペインクリニックと整形外科との大きな違いです。
明らかな外傷や骨折、帯状疱疹など、目で見ても分かる場合にはペインクリニックと整形外科どちらに該当するのか絞りやすいですよね。しかし、ペインクリニックと整形外科では、対象とする部位や疾患においては共通する部分もたくさんあります。そのため、看護師も迷うことがあり、患者はさらにどちらを受診するか迷うでしょう。
身体機能の回復を目的とする場所が整形外科であり、痛みを取り除くことを目的とするのがペインクリニック。そう覚えておくと分かりやすいですね。「看護師としてペインクリニックで仕事をしたいけど整形外科と混同しそう」と思ったら、この相違点をイメージするとより働いたときの感覚を掴みやすいのではないでしょうか。